アテネ・フランセの想い出~4
この学校は初等科が終ると、予備科へ進みます。予備科の上には中等科があり、さらに専修科、特別科があります。推理小説作家の日影丈吉はたしか、専修科までやったようです。あっしは、予備科の初めの方でもう顎を出しました。
これは予備科の教科書です。アネックドトと書いてありますが、まあ、笑話集のような紋です。シルエットの人が編集したと、書いてありますが、思うに写真にすると製版代が掛かるとかで、予算の関係で挿絵にしたのでは。それとも、コットさんが大の写真嫌いだったのかも。(^_-)-☆笑話集と書いた手前、第50話を拙訳でご披露させていただきます。(-_-;)(全部では70話あり)
うっかり紋一家の旅行
トープ一家が日曜に汽車で田舎に行くことになりました。発車の時間も近づくなか、急に坊やがしゃくりあげます。虫取りの網を忘れたんですって。
「はやく行って取って来なさい。今度っから気いつけるんだよ」とお父さん。ところが、幾らもしないうちに、こんどはトープ夫人が金切り声を上げます。傘持ってくるのを忘れたんですって。「服を濡らすのいやだから、あたし取って来るわ。」
ふたり減ったところで、残った連中はやっとホームへ入りました。「こううっかり者ばかりいたんじゃ、とてもあの汽車には間に合いそうにないな。」とお父さんはぼやきます。
でも、どうしたことでしょう、今度は出札口まで来て、指揮者のトープさんが、肝心の財布を、うちへ置き忘れた事に気づいたのでした。 (おわり)






