創世記が目を回すような出来事
創世記を読まれたことがあるだろうか。旧約聖書の巻頭にあるのがそれで、何語でもいいが、その初めに、In the beginning when God created the heavens and the earth, とかIn principio Dio creo il cielo e terra.つまり、初めに神は天と地を創られた、と書いてある。
ミケランジェロの『天地創造』は世界中に有名で、日本の観光客もローマ(正しくはヴァチカン市国だろうが)を訪れた際にはかならず見ていると思う。
音楽好きはハイドンの作品に、同名のもののあることをご存じだろう。
ところがつい最近、神は天と地を創ったのではない、天と地を切り離したのだという学者が現れた。つまり創ったというのは完全な誤訳だとエレン・ヴァン・ヴォルデ教授がオランダはネイメーヘンのラートブート大学での講義で、自説を展開したという。(今週の木曜日)
女史に拠れば、そもそも天地は神が創る前から存在していたのだ、と。これは言語学的な面だけでなく。メソポタミアなど他の創造神話などと比較して得た結論だそうな。
そうしてヘブル語のバラはこの場合、「創造」でなく「分離」だと断定した。神はもとからあった大地から天を切り離したに過ぎないんだそうである。
英語でdivorceとなっていたのでチョッと首をひねったが、大型の辞書をみると、divorceには切り離すという意味があるのだそうだ。思えば英語は落ちこぼれにしても、divorceの深い意味を知らなかったのは、我ながら恥ずかしい。(-_-;)
ここではヘブル語のバラと云う言葉が紋題のカギとなるようだ。この解釈についてはもちろん反論も多く、たとえばアンドリース・クネーベル氏はその手法を批判している。
天地創造神話を根底からひっくり返す新解釈がとても信じられない向きには、近いうちに同氏の論文が一流の学術雑誌に載るというから、批判はそれを読まれてからにした方が賢明であろう。
ヴァン・デ・ヴォルデ教授は、1954年オランダはフローニンヘン生まれ、現在はティルブルク大学で教えている。ラートブート大学、ローマ教皇庁聖書研究所などで神学や聖書研究の部門などで研鑽を積んだ。イギリスのシェフィールド大学の客員教授でもある。
☆ マヤの神話では、天地と云う対立項はなく、地のみが創られる。そのあとは天でなく、様々な動物、人間はいちばん後になる。ナワ族の神話でも天地と云う考えはなく、最初には水しかなく、そこから大地が生まれるがこれも神の創ったものではなかった。


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